まずは台湾の原住民族の文化についてご紹介しましょう。原住民族の言い伝えによると、初期の原住民族集落の組織は現在の国家に値するものだったと言われています。各集落にはそれぞれの領土概念があり、集落の会議、祭典の儀式、さらには外部集落と折衝に当たる外交の仕事なども行われていました。集落はリーダーである大頭目、あるいは長老と呼ばれる人たちによって導かれ、事務はそれぞれ一つの国家のように執り行われていました。彼らは古くから一つの集落を一つの国家と認識してきたと言っていいでしょう。
茂林国家風景区ではこういった原住民族の文化に触れることができます。茂林区には下三社ルカイ族、霧台郷西ルカイ族、三地門郷と瑪家郷のパイワン族、桃源区のブヌン族とツオウ族が暮らしています。原住民族文化を深く理解するためには、少なくとも二日間は必要です。
また、解説スタッフにガイドを依頼すれば、よりディープな説明をしてもらうことができます。
時間を節約できるだけでなく、内容の濃いツアーになるはずです。
打耳祭、世界的な知名度を誇る八部合唱
ブヌン族
ブヌン族は単独で他の集落に乗り込むという勇敢な部族として知られています。彼らは天神を崇め、霊(善良な霊と邪悪な霊)を信じます。彼らの伝説では動植物はすべて人間が化身したものとされています。毎年4月にはブヌン族の打耳祭が行われ、男子は狩猟の技術を訓練し、各種禁忌や規範を学びます。これを通して優秀な狩猟者を英雄として尊ぶようになります。この祭典はブヌン族社会において教育的効果をもつと同時に、作物の豊作も祈願しています。
貝神祭
ツオウ族
ツオウ族の伝統的な文化には“貝神祭”という儀式があります。これは祭儀が行われるとき、祖霊会が収蔵している貝の宝を司祭が取り出し、集落の人々に持たせるというもので、これにより祖霊の庇護を受けられます。また、長老はこの貴重な貝の宝を空に投げ、勇士たちがこれを拾います。これは部族の者に勇気と智恵を与えるとされています。
陶器の壺、青銅の刀、トンボ玉です
ルカイ族、パイワン族
ルカイ族とパイワン族は文化的には共通点の 多い二部族です。彼らは天と地を敬い、大自然を崇めますが、祖先そのものは拝みません。社会階級は頭目、貴族、勇士、平民という四階級に分かれており、頭目は最初に生まれた子供が継承します。ルカイ族とパイワン族共通の三宝は陶器の壺、青銅の刀、トンボ玉です。
オススメのコース
日帰りコース
桃源区(*必ず食べて欲しい絶品の高山愛玉ゼリー。予約電話:07-686-6019廖春花女史) → 甲仙区 → 六亀区 → 美濃区(*伝統的な客家料理。予約電話:07-682-0356劉漢堂理事長) → 帰路
一泊二日のコース
一日目
茂林国家風景区管理処ビジターセンターでフィルム観賞 → 情人谷 → 多納高吊橋 → ランチは龍頭山で原住民族の郷土料理 → 午後は多納でスレート板家屋を探索、原住民族のスレート板文化を理解 → 多納温泉 →夜は多納里の民宿で一泊、多納の風情を満喫。
二日目:
茂林を霧台方向に出発 → 伊拉 → 神山 → 霧台でランチ → 瑪家文化園区 → 三地門 → 帰路
原住民族文化の特色
家屋:
家屋の門の前にある百歩蛇の図案は頭目あるいは貴族の家屋であることを表しています。(※注意:家主の許可なく無断で屋内の飾り物を観察するのはやめてください)
男女の服飾と頭飾りの文化:
百歩蛇は貴族を表し、蝶は俊敏さを表します。百合は部族の花であり、男性にとっては勇士の証し、女性にとっては純潔の象徴となっています。頭飾りの文化は部族の人々が栄誉を求める原動力となっています。
ブランコの文化:
これはルカイ族の女性の特権(男性は禁止されています)で、女性はブランコを漕ぐことにより美徳と才能を表現します。これは男女の出会いの場となっています。
トンボ玉文化:
トンボ玉は伝統社会における貴族が擁し、特殊な身分や地位を表します。一つ一つのトンボ玉には名前と意味があります。
陶器の壺文化:
これはまたの名を母体文化と言い、貴族階級の花嫁が必ず持っていく嫁入り道具で、陽壺と陰壺に分かれています。
佩刀:
これは男性にとって二番目の命と言われるもので、礼刀、仕事刀、狩猟刀があり、それぞれが文化を伝承しており、意義があります。
力と美の結合である歌舞:
歌舞は原住民族の文化や生活の内容を表現しています。
神話物語:
原住民族の文化のほとんどは文字の記載がなく、すべて口頭で伝わったものです。伝説は特別な存在となっています。
スレート板文化:
板(堅い石)と母石板(軟らかい石)の見分け方などを学べます。
原住民族文化地図

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