多納高吊橋は、萬山と多納山の間の龍頭山上に架かった、濁口溪をまたぐ、長さ232メートル、高さ103メートルの吊り橋で、東南アジアで最も高い吊り橋と言われています。かつて日本統治時代、強力な理番政策(注釈:日本政府による先住民族弾圧)よって各地で激しい争いが起きましたが、ルカイ族が暮らす深い山に囲まれたにある多納集落は一度も征服されることはありませんでした。そこで平和協定「和戦」の名の下、日本政府は食糧輸送のための吊り橋建設をと提案し、架けられたのが多納高吊橋でしたが、実際は理番政策を推し進めるための吊り橋建設でした。
多納に住む人々にとってこの橋は特別な意味を持っていて、家族、恋人、友人との別れを告げる橋でありました。多納高吊橋の方向指示板ガイドに従うと吊り橋から別の角度の龍頭山が眺められ、吊り橋を歩き進めると龍頭山を含む付近の山々のパノラマビューを楽しむことができます。1998年に再建された吊り橋は、その歴史的意義もふまえて一見の価値があります。
お薦めの滞在時間は約1.5時間となっています。吊り橋の最大積載人数は100人です。バイクや車の通行は全面的に禁止されています。駐車の必要がある場合は吊り橋の萬山側附近にある駐車場をご利用ください。