茂林区多納里内には多納石板屋があります。石板屋とは、その昔、先住民族が温泉の渓流で集めてきた黒灰板岩という建材を使って建てられた住居のことです。黑灰板岩は女性石板と、男性石板と呼ばれる建材に分けられ、女性石板は時間が経つと風化してしまう一方、男性石板は色が濃く、重く、厚みがあるため、屋根やベッドの建材として使われ、家が造られていました。多納集落の人たちは、助け合いの精神のもとみんなで協力して石板屋を建設し合っています。石板屋には、門の上に横木や柱がある家もあり、そこに蛇の守り神のヒャッポダが描かれている場合は、その家に住む人が頭目や貴族の地位であることを象徴しているのだそうです。また石板屋は冬は暖かく夏は涼しいのだそうです。
特色のある石板屋の家々を鑑賞したり、隣の集落の頭目の家や多納小学校まで足を延ばしたりするのに、30~40分ほど滞在されることをお薦めします。