多納集落は茂林区の高132号線の終着地にあたる茂林地区でも最も奥地にある集落で、以前は「屯子」という名前で知られていましたが、これは日本語の音からきている名前で、住民は自分たちのコミュニティを「古納達旺〈Kunadavan〉」と呼んでいます。多納集落はいくつかの小さなコミュニティの集合体からなり、茂林区内ではルカイ族の伝統文化がそのままの形でかなり残されています。
集落の後方には山々に囲まれた広い平坦な台地が広がっており、黒米を栽培しています。毎年7月にはその年の豊作を祈願し、神様からの贈り物として寿ぐ「黒米祭〈Tabesengane〉」が開催されます。また、11月には「豊收季〈Tapakadrawane〉」と呼ばれる収穫祭も行われます。
このお祭りの前夜、部族の若い男性は赤、黄、緑の三色の糸で結ばれたアワの束を用意し、好きな女性の家に愛情の証しとして送るという、多納集落特有の文化があります。
このアワの束が家に多く飾られていると、それだけその家の女性がモテることの証にもなります。
1時間程度滞在し、個人で、あるいはガイドツアーを予約して、部族の石板屋や、頭目の家、狩人のスタンドなどを見学することをお勧めします。 なお訪ずれる際は、できるだけ部族の人々の生活の邪魔をしないようにしてください。